
飲食店の正社員ってやっぱりきついのかな?
働きやすい職場もあるんだろうけど、どうやって見つければいいんだろう?
「飲食店の正社員はきつい」
そんなネガティブなイメージは持っていませんか?
確かに、飲食業界は、長時間労働や人手不足など、働く環境が厳しいと言われることも事実です。
でも、必ずしもそういう職場だけではありません。
選び方次第で、自分の働きやすい環境を手に入れることができます。
この記事では、実際にどこが「きつい」と感じられやすいのか、その理由や後悔ポイント、向いている人の特徴を解説します。
さらに働きやすい職場を見つけるコツなども。
飲食業でのキャリアを前向きに考えるためのヒントを、ぜひ見つけてください。
この記事で分かることは以下の通りです。
わたくし、かーりーは、20年以上、様々な飲食店で働き、その後、他の職種へ転職しました。
その経験や知識をもとに今回のお悩みに応えていきます。
飲食店の正社員は本当にきつい?実態と本音を徹底解説

飲食店の正社員は「きつい」というイメージが強く、実際にそう感じている人も多くいます。
ただ、その理由は業種の性質や職場環境によって異なり、一概に「全部が悪い」とは言えません。
きついと感じる背景には、労働時間や待遇、人間関係など、いくつかの共通する要素が存在しています。
まずは、飲食店の正社員がなぜ「きつい」と言われるのか、その実態を詳しく解説します。
「飲食店の正社員はきつい」と言われる理由とは
飲食店の正社員が「きつい」と言われるのは、業界特有の働き方にあります。
理由として多いのは、長時間労働、休みの少なさ、肉体的な負担、人間関係のストレスです。
僕自身も現場で働いていた頃、忙しい時間帯のピークや、理不尽なクレーム対応に疲弊する日々がありました。
こうした働き方が長く続くと、心身ともに限界を感じてしまいます。
とはいえ、すべての飲食店がブラックというわけではなく、職場によって大きな差があるのも事実です。
飲食店の正社員がきついとされる7つの具体例
なぜ飲食店の正社員がきついと言われているのか、その理由は具体的に7つほどあります。
その7つとは以下の通りです。
- 長時間労働と不規則な勤務時間
- 連休・有給が取りづらい現状
- 肉体的にハードな作業が多い
- クレーム・客対応によるストレス
- 給与が見合っていないと感じる
- 慢性的な人手不足で業務に影響
- 人間関係や職場の上下関係によるストレス
詳しく解説します。
長時間労働と不規則な勤務時間
飲食業界は営業時間が長く、朝から深夜まで働くケースも珍しくありません。
とくに正社員は、開店前の準備から閉店後の締め作業まで担当することが多く、勤務時間が長くなりがちです。
僕の経験では、1日12時間以上働いた日も珍しくありませんでした。
さらに、勤務時間が日によってバラバラで生活リズムが崩れやすく、体調管理が難しいという声も多いです。
連休・有給が取りづらい現状
飲食店は週末や祝日が稼ぎどきのため、正社員はその時間にシフトが入ることが多いです。
そのため、連休を取ったり、計画的に有給を消化したりするのが難しい職場も少なくありません。
僕自身も
「友人の結婚式に出られなかった」
「家族と休みが合わない」
といった経験があります。
働きやすさを求める人にとって、この点はかなりのストレスになるでしょう。
肉体的にハードな作業が多い
飲食の仕事は、想像以上に体力勝負です。
立ちっぱなしで動き回る時間が長く、重い鍋や食材を持ち運ぶことも日常茶飯事です。
また、調理場は高温になりやすく、夏場は特にきつい環境になります。
体力に自信がない人にとっては、毎日の業務が苦痛に感じられるかもしれません。
クレーム・客対応によるストレス
接客業である以上、お客様からのクレームや無理な要望に対応する場面も避けられません。
理不尽な言いがかりを受けたり、理性的に対応しても怒鳴られたりと、精神的にかなりの負担になります。
お客様第一の姿勢が求められる分、感情を押し殺す場面が多く、メンタルがすり減る要因のひとつです。

給与が見合っていないと感じる人も
長時間働いても、その分だけの給与が支払われていないと感じる人も多いです。
飲食業界は給与水準が低めな傾向があり、働きぶりに対する報酬が見合わないという不満の声をよく耳にします。
実際に僕も、
「頑張っても給料が上がらない」
と感じて、将来への不安が募ったことがあります。
やりがいを重視していても、生活とのバランスが取れないと続けるのは難しいです。
慢性的な人手不足が業務に影響
多くの飲食店が人手不足に悩まされており、そのしわ寄せが正社員に集中する傾向があります。
アルバイトの穴埋めやシフトの調整など、本来の業務以上の負担がかかることもしばしばです。
僕のいた店舗でも、急な欠勤のフォローで休日が潰れることが何度もありました。
常にフル稼働の状態が続くと、心身の疲労は蓄積する一方です。
人間関係や職場の上下関係がストレス要因
飲食店の現場は上下関係が厳しい場合があり、先輩や上司との関係に悩む人も多いです。
とくに古い体質の店舗では、「怒鳴る教育」や「見て覚えろ」といった指導が今でも残っています。
多くの飲食店勤務者は、理不尽な注意を受けたり、上司に対して気を使いすぎて心が疲れてしまったりという経験があるのでないないかと思います。
人間関係のストレスは、仕事のモチベーションを大きく左右するポイントです。
「飲食店の正社員はきつい」と後悔するケースとは?よくある失敗談

飲食店の正社員になったものの、
「こんなはずじゃなかった。きつい、、」
と後悔する人は少なくありません。
その原因の多くは、入社前と入社後でのギャップ、労働環境の過酷さ、将来への不安などです。
実際に現場で働いた経験からも、こうした悩みは頻繁に耳にしました。
ここでは、飲食業界に転職して後悔したという人たちの、よくある失敗談を紹介します。
働き出してからギャップを感じることも
飲食店の雰囲気に惹かれて入社したものの、実際に働いてみると理想と現実の差に戸惑うケースは多いです。
「和気あいあいとして見えたのに、裏ではピリピリした空気だった」
「調理スキルを学べると思っていたのに、雑務ばかり任された」
など、ギャップは人によってさまざまです。
僕も面接時に聞いていた条件と実際の働き方が違っていて、かなりショックを受けた経験があります。
求人情報や面接だけでは分からないことが多いため、入社前にできる限り現場を見ておくことが大切です。
プライベートとの両立が困難
飲食店の勤務はシフト制が基本で、特に正社員は休日の希望が通りにくい傾向があります。
そのため、プライベートの時間が取りづらく、家族や友人との予定が合わなくなることも少なくありません。
「休みが合わなくて恋人とすれ違いが増えた」
「趣味の時間がまったく取れない」
といった声もよく聞きます。
ワークライフバランスを重視する人にとっては、大きなデメリットになり得ます。
将来性が見えずモチベーションが下がる
毎日忙しく働いているのに、
「このまま続けて何になるんだろう」
と感じてしまうことがあります。
飲食業界は年功序列より現場主義な部分が強く、キャリアプランが曖昧な職場も少なくありません。
「頑張っても店長止まり」
「年齢を重ねると体力的にきつい」
など、将来への不安が積もるとモチベーションの維持が難しくなります。
僕も30代を前に、「このままで大丈夫なのか?」と自問自答した時期がありました。
長く働くためには、キャリア設計がしっかりできる環境かどうかを見極める必要があります。
社風・業態のミスマッチに要注意
飲食業界は店舗ごとに社風や働き方が大きく異なります。
落ち着いたサービスを提供するレストランと、スピード重視の大衆居酒屋では、求められるスキルや接客スタイルもまったく違います。
「思っていたより体育会系だった」
「逆に静かすぎて合わなかった」
など、雰囲気の違いに戸惑う人もいます。
カジュアルな業態から高級店に移った時などは、接客マナーや言葉遣いの違いにかなり苦労することでしょう。
転職の際は、自分の性格や価値観に合った職場かどうかを見極めることが大切です。
飲食店の正社員に向いている人・向いていない人の特徴とは?

飲食店の正社員は、やりがいも多い反面、向き不向きがはっきり出やすい職業です。
自分の性格や価値観と仕事内容が合っていれば、長く楽しく働くことができます。
逆に、合わない環境に身を置くと、ストレスや後悔が積み重なってしまいます。
ここでは、飲食業界に向いている人・向いていない人の特徴をそれぞれ解説します。
飲食店の正社員に向いている人の3つの特徴
まず、飲食店の正社員に向いている人の特徴は次の3つです。
- 体力があり、動き回るのが苦にならない人
(長時間立ち仕事や仕込み作業などが続くため、体力は大事な要素) - 人と接するのが好きな人
(接客業なので、お客様と話すことに楽しさを感じられる人) - 変化に柔軟で、臨機応変に動ける人
(忙しい時間帯やトラブル発生時にも、落ち着いて対応できる柔軟さが必要)
これらの特徴を持つ人は、どの店舗でも活躍できるでしょう。
飲食店の正社員に向いていない人の3つの特徴
逆に、飲食業界が合わないと感じる人には、以下のような傾向があります。
- マイペースで段取りより自分のペースを優先する人
(チームで連携しながら動く仕事なので、スピード感と協調性が求められる) - ストレス耐性が低く、感情の切り替えが苦手な人
(クレーム対応やイレギュラー対応が多いため、精神的なタフさが必要) - 休日や勤務時間をきっちり管理したい人
(シフト制で変動が多く、急な出勤もある業界なので、時間に厳格な人はストレスを感じやすい)
業態やポジションによっても働き方は大きく変わる
飲食業界と一口に言っても、居酒屋、カフェ、レストラン、ファストフードなど、業態によって働き方は大きく異なります。
また、ホールスタッフ、キッチン、店長候補、SV(スーパーバイザー)など、ポジションによっても求められるスキルや労働環境が変わります。
たとえば、カフェのホールは女性中心で接客重視、ラーメン屋の厨房はスピード勝負など、現場の特性を理解しておくことが大切です。
僕も業態を変えたことで働きやすさが大きく改善した経験があり、
「同じ飲食でもこんなに違うんだ」
と実感しました。
転職を考える際は、業態やポジションごとの違いも事前にリサーチしておくことをおすすめします。
飲食店の正社員でも働きやすい職場を見つける方法

飲食業の正社員は「きつい」と言われがちですが、すべての職場がそうとは限りません。
働きやすさは、職場の体制や人間関係、待遇次第で大きく変わります。
たとえば、シフト管理がしっかりしている店舗や、休日取得がルール化されている企業では、無理なく働けるケースもあります。
「正社員=過酷」と決めつける前に、職場の見極めポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、求人選びや職場選びでチェックしておきたい具体的な方法を紹介します。
求人票でチェックすべきポイント5つ
求人を見るときは、ただ給与や休日数を見るだけでは不十分です。
特に確認しておきたいのは、次の5つです。
- 月の平均残業時間
- 有給取得率
- 具体的な昇給・賞与制度
- 週休の形態(固定休 or シフト制)
- 離職率の記載があるかどうか
このあたりがしっかり明記されていれば、働きやすさをある程度判断できます。
逆に、ふんわりした言葉ばかりの求人は要注意。
数字での記載があるかどうかが、リアルな職場環境を知る手がかりになります。
職場見学・口コミ・面接での見極め方
実際に働くかどうかを判断するには、求人票だけでなく“現場の空気”を感じることが重要です。
職場見学ができる場合は、スタッフの表情や働く様子に注目しましょう。
また、口コミサイトでの社員の声もチェックしておくと安心です。
面接時には、
「有給は取得されていますか?」
「残業はどれくらいありますか?」
など、具体的に質問するのも効果的。
実際に働く人のリアルな声や対応から、その職場が自分に合うかどうかを見極めることができます。
ブラック企業を避けるためにチェックしておきたいこと
ブラック企業を避けるには、いくつかの共通点に注目しましょう。
たとえば、「やりがい」「アットホーム」をやたらと強調している求人は、労働環境の厳しさをごまかしている可能性があります。
また、常に同じポジションで求人を出している会社は離職率が高いことも。
労働時間の記載があいまいだったり、基本給が極端に低いのに手当で水増しされている場合も注意です。
ブラック企業を見抜くには「何が書かれているか」だけでなく、「何が書かれていないか」にも目を向ける必要があります。
条件の良い飲食業界の企業・職種とは?
飲食業でも、働きやすく条件の良い企業や職種はあります。
たとえば、大手チェーンの中には年間休日120日以上、有給取得率80%以上を実現しているところも存在します。
職種では、調理よりもマネジメントに近いSV(スーパーバイザー)や店舗開発、商品企画などは比較的時間管理がしやすい傾向です。
また、社員教育が整っている企業は離職率が低く、安心して長く働ける可能性が高いです。
条件を妥協せずに探せば、飲食でも無理なく続けられる職場に出会えます。
飲食店の正社員でもやりがいはある?ポジティブな声を紹介

飲食店の正社員は大変なことも多いですが、「やっててよかった」と感じる瞬間もたくさんあります。
お客様からの感謝、仲間との一体感、自分自身の成長など、働く中で得られる充実感はほかの業界にも引けをとりません。
特に現場に立つことで接客力や臨機応変な対応力が鍛えられ、それが自信にもつながります。
ここでは、そんなポジティブな側面を4つの視点から紹介します。
お客様からの感謝が直接届く
飲食業ならではのやりがいといえば、やはり「ありがとう」の言葉です。
自分がつくった料理や対応が喜ばれたとき、疲れが一気に吹き飛ぶような感覚があります。
とくに常連さんができたり、記念日を任せてもらえたりすると、仕事に対する誇りも生まれます。
接客を通して人とのつながりを感じられるのは、飲食業ならではの魅力です。
チームワークで働く楽しさ
飲食店の現場は、一人では回りません。
だからこそ、スタッフ同士の連携が重要です。
忙しい時間帯を仲間と乗り越えたときの達成感は、なかなか言葉では言い表せません。
「大変だけど、みんなでやり切った!」
という感覚が、やる気につながるんですよね。
店全体で協力しながら動くチームプレーの楽しさは、飲食業でしか味わえない醍醐味の一つです。
成長実感とキャリアアップのチャンス
飲食業は年齢や学歴に関係なく、実力次第でキャリアアップできる業界です。
アルバイトから正社員、店長、マネージャーへとステップアップする人も少なくありません。
また、接客・調理・マネジメントなど幅広いスキルが身につくので、自分自身の成長も実感しやすいです。
頑張りがダイレクトに評価される環境は、仕事のモチベーションにもつながります。
実体験:現役スタッフのポジティブな声
僕の知人で、現在も飲食店で正社員として働いている人がこう話していました。
「最初はしんどかったけど、常連のお客様と話せる時間が楽しくて。今では仕事が自分の居場所になってる」
ほかにも、
「人と関わるのが好きだから、この仕事は天職」
という声や、
「自分で考えてお店を動かせるのが面白い」
と語る人もいます。
大変な面は確かにありますが、だからこそ感じられる充実感があるのも事実です。
飲食店の仕事が合わないと感じたら?転職という選択肢もある

飲食店の正社員として働いてみたけれど、
「自分には合っていないかも」
と感じることは珍しくありません。
向き不向きは誰にでもあるもので、無理をして続けるよりも、自分に合った働き方を探すのも立派な選択肢です。
最近では、飲食業から異業種へ転職する人も増えていて、実際にうまくいっているケースも多いです。
「転職=逃げ」ではありません。
今の職場で感じている違和感は、未来のあなたからのサインかもしれません。
ここでは、そんな人たちがどんな業界に進んでいるのかを紹介します。
飲食業から異業種に転職する人も増えている
実は、飲食業からまったく別の業界に転職する人は年々増えています。
理由はさまざまですが、
「もっと働きやすい環境で力を発揮したい」
「家族との時間を大切にしたい」
という思いから決断する人が多いです。
飲食の経験は無駄にならず、むしろコミュニケーション力や気配りが評価される場面も多いんです。
「業界が違う=全くのゼロスタート」ではないということを、知っておいてください。
飲食経験を活かせる職種や業界も意外と多い
飲食業での経験は、異業種でも十分に通用します。
たとえば接客スキルを活かした営業職や、食品メーカーの現場スタッフなど。
さらに、店舗管理の経験があれば、事務や人材系の仕事にもつながることがあります。
実は、飲食で身につけた能力って、他業種から見るとすごく魅力的なんです。
詳しくはこちらの記事で、転職先の具体例や転職サイトの選び方などを紹介しています。
▶ 飲食業から異業種へ!おすすめの職種や転職サイト7選を解説
飲食店の正社員はきついけど、職場選び次第で変わる

飲食店の正社員はきつい――それは事実としてありますが、すべての職場がそういうわけではありません。
働きやすさは環境次第。
自分に合った職場を選べば、やりがいや満足感を得られることも十分可能です。
以下のポイントを参考に、自分に合う働き方を探してみてください。
自分の適性と希望条件を明確にする
まず大切なのは、「自分がどんな働き方をしたいか」をはっきりさせることです。
たとえば「休み重視」なのか、「キャリアアップ」なのかで選ぶべき職場は変わります。
給料や労働時間だけに目を向けず、働く目的や人生の優先順位を整理してみましょう。
それが、後悔の少ない選択につながります。
働き方を見直せば、長く続けられるケースもある
飲食業がきついのは事実ですが、全てを否定する必要はありません。
たとえば、働く時間帯や店舗の規模、業態を見直すだけで、負担がグッと減ることもあります。
大手チェーンや福利厚生が整った企業なら、以前と比べて「働きやすさ」を感じられるかもしれません。
「飲食業=ブラック」という思い込みを一度リセットしてみることも大切です。
見切りをつける勇気も、時には必要
どれだけ努力しても、「合わない」と感じる環境で無理を続けるのはつらいもの。
仕事は人生の大部分を占めるからこそ、納得できる働き方を選ぶべきです。
辞める=悪いことではありません。
「次に進むための決断」と考えて、前向きな一歩を踏み出してみてください。
転職には不安もありますが、それ以上に得られるものも大きいです。